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コヨミとコトバ

季節がずれてきている?暦を辿ってみたら何かわかるかも。
くらしのなかの暦と言葉を集めてみました

甘露 かんろ
日が短くなって、露が冷たく感じられてくるころのこと。晩秋。
新暦で10月8日~10月22日ごろ

鴻雁来(こうがんきたる)」(10月8日~10月12日ごろ)雁が北から渡ってくるころ。清明のころに北に渡っていた冬鳥が戻ってくる季節です。「菊花開(きくのはなひらく)」(10月13日~10月17日ごろ)菊の花が咲き始めるころ。旧暦9月9日の重陽の節句では菊で長寿を祈りました。「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」(10月18日~10月22日ごろ)秋の虫が戸口で鳴くころ。きりぎりすはこおろぎのことと言われています。

10月になっても最高気温が30℃近い日がありましたが、やっと涼しくなりました。しかも急に。そろそろ天候の安定する時期のはずですが、雨の日も多く、まだお天気の不安定な日がつづいています。
季節の変わり目は雨が多くなりますが、秋は雨によって洗い流された大気に乾燥した冷気が流れ込んで、空気が澄んで日差しが眩しく爽やかな晴天になるそうです。上空の高いところを流れる鰯雲を見ると「秋だなぁ」としみじみ。入道雲がちょっとなつかしい。

秋になると俄然魚が食べたくなります。さんまもいいのですが、ししゃもも秋が旬。北海道ではししゃもが川を遡上するころに吹く季節風を「ししゃも荒れ」というそうです。ししゃもが群れをなして川に向かう姿を想像しちゃうのですが、最近は本ししゃもを手に入れることは難しくなりました。同じく数年前から数が減ってしまっているさんまは漢字では秋刀魚。ししゃもは柳葉魚。柳の葉がししゃもになったというアイヌの伝説からだそう。神様が川の中に柳の葉を投げ入れたところ、柳の葉に似た魚が一面に湧き上がって、飢饉から人々を救ったという伝説。アイヌ語では「シシュ=柳」「ハモ=魚」で、神様から賜った魚として大切にされたそうです。